空間づくりにこだわりたいなら、種類が豊富な階段にも注目です!
階段は考えている以上に、私たちの「住まい方」へ大きな影響を与えています。
外観のデザインやその形状は空間の雰囲気や間取りを左右しますし、配置場所によって生活動線や家族との距離感にも深く関わってくる大事なパーツなんです。
「おしゃれな階段をつくりたい」
「階段で自分たちのセンスを表現したい」
という方のために、今回は階段についてその種類や特徴をご紹介。
満足度の高い、そして納得できる空間づくりの参考にしてみてください。
目次
階段にはこんなに「種類」があった!
階段にはその形状から、「直階段」「かね折れ階段」「折り返し階段」「回り階段」「らせん階段」の5種類に分けることができます。
直(ストレート、鉄砲)階段
上階と下階を一直線につなぐ直階段は一番シンプルな形状なので、設置コストを抑えることができます。
さらに階段下には比較的広いスペースができるので、階段下収納などを作ったりデッドスペースを有効利用することができます。
ただし、一直線であるがゆえに勾配がきつくなりがち。小さいお子さまや高齢者がいる場合には、安全性を高めるために、手すりや踊り場を設けるといった工夫が必要でしょう。
かね折れ(L字型)階段
かね折れ階段は、上階と下階をL字型につなぐ階段です。学校の階段をイメージしてもらうとわかりやすいでしょう。
設置する場所を自由に決められるため、間取りを制限することがありません。作り方を工夫すれば、階段下のデッドスペースを有効活用することができます。
L字に曲がる部分に「踊り場」があるので、安全性が確保されることも特徴です。
折り返し(U字型、ボックス、屈折)階段
折り返し階段は「U字」に方向を変える(折り返す)タイプの階段。特に、折り返し部分が踊り場になっているタイプを指します。
形状から設置には大きなスペースが必要になります。
ただし、折り返し階段は直階段と比べてステップ数が多くなるので勾配が緩く、さらに途中に折り返し(踊り場)があるため、安全性が高いことが特徴です。
回り階段
回り階段は、かね折れ階段や折り返し階段の踊り場にあたる部分をステップにしたタイプの階段です。
折り返し部分では、ステップ(踏板)の内側の幅が狭くなり足を踏み外す場合もあるので、安全性を高めるために手すりの設置がおすすめです。
らせん(スパイラル)階段
らせん階段は、1本の柱を中心に、ステップ(踏板)がらせん状に設置されている階段です。
滑らかな曲線、スケルトンなデザインで洗練された存在感を放ちます。
省スペースで設置することができるのでリビングの真ん中に設置することも可能です。
ただし、らせん階段はステップが複雑な形状なので、設置費用は高額に。そしてステップの中心に近い部分の幅は狭く、踏み外しやすいので上り下りの際には注意が必要です。
階段の「外観デザイン」もこだわるなら
ここまで階段の「形状」を紹介してきましたが、インテリアにこだわりたいならば「外観デザイン」についても比較・検討したいところ。
続いて、空間の印象を決める重要な要素である外観デザインについて紹介していきます。
箱型階段
踏板と蹴込板(段板と段板の間のつま先が当たる部分)の組み合わせが箱を積み重ねたような形状となっている階段を箱型階段といいます。
一般的に、階段下に収納スペースやトイレをレイアウトする場合が多く、最近はステップ部分を数段分「引き出し」にして収納として利用するアイデアも人気です。
空間との統一感を出したい場合は、蹴込板にも壁紙を貼ることで、空間との統一感を出すことも可能です。
オープン(スケルトン、シースルー、ストリップ)階段
蹴込板のない階段をオープン階段といいます。
風や光を遮らず、視線が階段の奥へと抜けるため圧迫感がありません。
デザイン性も高く、明るく開放的な空間を演出できるので、リビングに設置する階段として人気のあるタイプです。
ひな壇階段
横から見た様子がひな人形を飾る「ひな壇」のような形状なので、ひな壇階段と呼ばれています。
側面の壁がないので、圧迫感のないすっきりとした空間づくりにおすすめです。
片持ち(フローティング)階段
片持ち階段は、踏板を片側だけ壁に固定して設置した階段。
通常、階段はささら桁という部材で踏板を支えていますが、片持ち階段の場合はそれをなくしたり、見えづらい設計が施されています。
まるで空中に漂うような浮遊感のある美しいデザインが目を引きますが、踏板は固定している壁から離れるにしたがって揺れやすく、上り下りの際は注意が必要です。
安全性を維持するためには、補強など適切な設計が求められるデザインです。
印象的なインテリアにする「階段選び」のポイントは?
階段はその形状や外観デザインを組み合わせることによって、さまざまな印象を放ちます。
ベストな組み合わせを考えるうえで、大切なポイントを2点に絞って解説します。
階段の設置場所を考える
階段はそのデザインよりもまずは「どこに設置する/したいか」を考えてみましょう。
「いつでも何となく人の気配が感じられるようにリビング階段にしたい」
「玄関からすぐに2階へ上がれると便利かも」
などの大まかな希望に対して、生活動線や考えうるメリットやデメリットを加味し、具体的な設置プランを練っていきましょう。
例えば、リビング階段は家族間のコミュニケーションが取りやすいというメリットがある反面、冷暖房の効率が下がるというデメリットがあります。
「こんなはずでは……」ということがないように、階段は設置場所から計画を立てることが大切です。
階段の造りを決める
住まい全体の間取りが形になり、階段の設置場所がほぼ決まってきたら、いよいよ階段の外観デザインなどを考えていきましょう。
ついついデザイン性に気を取られてしまいますが、小さいお子さんがいる場合や高齢になっても住み続けるつもりであれば、安全性にも重点を置きながら適切なタイプの階段を選びたいものです。
また、階段下のデッドスペースや蹴り込みを収納として使いたい、あるいはその他の用途で活用したいという希望があればあわせて考えておくことをお忘れなく。
まとめ
家族のコミュニケーションの場であったり、収納のほかさまざまに利用できる空間であったり、個性を表現するシンボルであったり……と、階段には多種多様な役割があります。
そして階段には形状や外観デザイン、あるいは材質などの組み合わせでたくさんの選択肢があります。
それぞれの特徴を踏まえ、家族構成やライフスタイルにぴったりなものを選ぶことをおすすめします。
階段選びのポイントは、まずは階段をどこに設置する/したいのかを考えることからはじめましょう。そして全体の間取りが決まってから外観デザインを検討しましょう。
デザイン性につい目が向きがちですが、階段での事故を防ぐ安全面への配慮も忘れずに。
これらの点を踏まえ、満足・納得のいく階段を選んでみてくださいね。
投稿者プロフィール
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「お前は、建築業には絶対に進むな...」建設業の厳しさを知り尽くした父から贈られた言葉。けれど、苦労している父親の背中や、「きつい・汚い・危険」と言われる過酷な職場環境で歯を食いしばり懸命に働く家族や職人さんたちの姿が忘れられず「この業界を変えたい」と志し、コンサルティング業界の道に進み10年。豊富な実績を誇り全国の地域No.1工務店からの熱狂的なファンが多く、これまで建築業界にはなかった発想や唯一無二のアイデアで差別化を図り「ゼロからイチをつくる」ブランディングのプロ。2030年には新築着工棟数が半減する未来を見据えるなかで、業界全体の活性化のためにブランディングや生産性向上のノウハウを分かち合う「競争ではなく、共創」の考えを創造し、新たな建築業界の世界観をつくる”先駆者”。
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