新築時に取り入れたいダウンライト。失敗しない選び方と対策を解説

近頃、おしゃれな雰囲気を作り出す「ダウンライト」をリビングにも設置する新築住宅が増えてきました。

ダウンライトとは天井に埋め込むタイプの照明。
おもに水回りのほか、部屋を印象的に演出する間接照明的に使われることが多いライトです。

天井に直接固定するシーリングライトとは異なり、見た目がスッキリしているダウンライトはデザイン性に優れていますが、意外と配置が難しい照明です。

今回は、ダウンライトを設置するメリットと、失敗例から学ぶ効果的に配置する方法をくわしく解説していきます。

ダウンライトとはどんなライト?

シンプルなデザインでスペースを有効活用し、部屋を均一に明るく照らすことができます。 LED技術の進化により省エネで長寿命なタイプが主流となり、電気代の節約と交換の手間を軽減します。快適な居住空間を演出する照明器具と言えます。

ダウンライトが人気を集める4つの理由

近頃、リビングにもダウンライトを採用する新築住宅が増えてきました。
オシャレな印象のダウンライトですが、人気を集める理由を改めて解説していきます。

【ダウンライトが人気を集める4つの理由】
・天井がすっきりし、開放的な空間になる
・掃除をこまめにする必要がない
・コントラストがオシャレな雰囲気を演出
・比較的価格が安い

天井がすっきりし、開放的な空間になる

天井に固定するシーリングライトとは異なり、ダウンライトは埋め込むタイプなのですっきりフラットな天井に仕上がります。
実際の広さよりも空間に広がりを感じることでしょう。

ンテリアで主張しすぎないので、特にシンプルな内装でまとめたい方におすすめです。

掃除をこまめにする必要がない

シーリングライトやペンダントライトなどはホコリが溜まりがちですが、天井に埋め込むタイプのダウンライトにはほとんどホコリが溜まらないので、掃除の手間がかかりません。

コントラストがオシャレな雰囲気を演出

スポットライトのように照らす範囲の狭いダウンライトは、照らす方向、明かりの色味や明るさなどを考慮しながら設置場所を計画できるのも人気を集める理由のひとつです。

たとえばライトがつくるコントラストで空間をラグジュアリーに、あるいはドラマチックに演出することができます。

比較的価格が安い

ダウンライトはひとつひとつの単価が安いので、広い空間に複数づかいをしても建築価格にあまり影響しない点も大きな特徴です。

新築前に知りたい! ダウンライトの設置失敗例とその対策

スタイリッシュな雰囲気の空間にしたくてダウンライトを取り入れたはずが、考えていた印象とちょっと違ってガッカリ……というケースは実は多いんです。

新築時にダウンライトを設置するときに起こしがちな失敗とそれを防ぐ対策についてご紹介していきましょう。

ライトの設置位置が決まっているので自由な模様替えが難しい

ダウンライトは天井に直接、埋め込む照明器具です。
そのため、設置場所や照明自体の大きさの変更はできない、という特徴があります。

ダウンライトを設置する際には、設計段階からライフスタイルや生活動線、家具のデザインやその配置などさまざまな点を細かく考慮し設置位置をプランニングすることが必要です。

リソーケンセツのダウンライトの写真

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【対策】
事前に家具などの配置をシミュレーションし、照らす向きを調節できるタイプを選ぶ

照明プランを考えるときは、テーブルやソファのサイズはもちろん、その配置も図面の段階から確認しておくほうがよいでしょう。

将来、家具を買い替えるとしたらどのくらいのサイズなら照明プランに影響がないのかなど、さまざまな条件で考えておくことが大切です。

また、光の向きを変えることができるタイプのライトを選択するのもおすすめ。

高橋工務店の照明の写真

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想像よりも部屋が暗い

ダウンライトはスポットライトのように空間の一角を照らす照明器具なので、部屋全体を明るくするには不向きです。
たとえばリビング全体を明るくしたい場合はたくさんの数のダウンライトが必要です。

最近は光の照射範囲の広いタイプも出てきましたが、それでも一定数のライトを設置しなければならないので、天井が穴ぼこらだけになってしまい“見栄え”の点でいまひとつです。

【対策】
シーリングライトとの併用も検討する

リビングダイニングなど家族が一ヶ所に集まるような空間では、ダウンライトとシーリングライトの併用がおすすめ。

お子さんのリビング学習や家族そろっての食事の時にはシーリングライトも灯して部屋を明るくし、リラックスしたいときにはダウンライトで落ち着いた雰囲気にするなど、使い分けるのも方法のひとつです。

リビングにあるシーリングライトとダウンライトの写真

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場所によってはまぶしく感じることも

ダウンライトは照射範囲が狭いので、薄暗く落ち着いた雰囲気の空間づくりができる照明器具です。

しかし、薄暗いといっても、ダウンライトの光が目に直接届いたり、視界の隅に少しでも光が入ると、とてもまぶしく、不快に感じることもあるでしょう。

【対策】
調光機能でシーンによって明るさを使い分ける

部屋や時間帯などで必要に応じて明るさを調節したい場合は、「調光機能」付きのダウンライトを設置するのがおすすめ。

お子さんがいる時間帯はフル点灯し、寝室やお休み前のリビングは薄暗く調節するなど、調光機能があれば場所やシーンに合わせて明るさを調節できます。

細かい作業や読書には不向き

薄暗く落ち着いた明るさのダウンライト下では、細かい作業はやりづらさを感じるかもしれません。

また、ダウンライトを背にする位置で新聞や本、スマホを見るときには手元が影になって見えづらくなるでしょう。

<対策>
図面の段階でお部屋での過ごし方を具体的にシミュレーションしてみる

なかなか難しいことですが、図面をもとにライフスタイルやインテリアの配置などをシミュレーションしておくことが効果的。

読書のほか、PCやタブレットを操作することになりそうな場所には、手元が暗くならない位置にダウンライトを配置するようプランニングしましょう。

空間がさらにオシャレになるダウンライトの施工事例

理想の空間づくりにはより具体的なモデルがあるとプランニングしやすいもの。
そこで実際の新築住宅で採用されたダウンライトのオシャレな施工実例を場所ごとに紹介します。

玄関

夜は程よい明るさで外出先から帰ってくる家族を迎えるダウンライト。
玄関ホールとシューズラックの落ち着いた色合いと特徴的な木目をより一層温かいものに印象付けています。

高橋工務店のダウンライトのダウンライト

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シュウハウスの玄関のダウンライト

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リビング

リビングに設置したダウンライト。ペンダントライトとの併用ですが、すっきりとした印象になりました。
シーンに応じて明るさを調節でき、そのたびにお部屋の印象も変わります。

アニバーサリーホームのリビングにあるダウンライトの写真

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三陽ホームのリビングにあるダウンライトの写真

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キッチン

全体をダークトーンでまとめたキッチンにまるで星のように灯る様子が印象的。
シャープな中にもどこか柔らかさを感じさせる光の加減が絶妙です。

東京にあるカーサ・プロジェクトのキッチンに使っているダウンライトの写真

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鈴勝建設のキッチンに使ってあるダウンライトの写真

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寝室

静かな時間を過ごしたい寝室には、温かな色味のダウンライトを配置。
直接、光が目に差し込まないよう設置場所をプランニング。落ち着く空間に仕上がりました。

和室

奥の和室へ誘うように配置されたダウンライトです。
モダンな印象にまとめつつもそこはかとなく漂う懐かしさは点々と灯る明かりの効果によるものでしょうか。

東京にあるカーサ・プロジェクトにあるダウンライトの写真

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f productの寝室にあるダウンライトの写真

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エクステリア

玄関の外天井に仕込まれたダウンライトが玄関ドアを印象的に浮かび上がらせます。
真上から照らされ、ポストから伸びる影がとてもドラマチックで住む人のセンスをうかがわせます。

まとめ

すっきりした印象のダウンライトは空間づくりにおいて邪魔にならないので、近頃の新築住宅では水回りのほかにもリビングや寝室の照明として採用される方が増えています。

ダウンライトは天井に直接埋め込んで設置するタイプの照明なので、そのような構造ならではのデメリットも……。
しかし、綿密な照明プランと適切な対策を施せばデメリットを解消することができます。

ダウンライトのメリットは、配置の仕方で空間にさまざまな表情を持たせられること。
リビングや寝室、キッチン、和室、エクステリアなどの施工事例を参考に、センスの良いお気に入り空間を作り上げてくださいね。

投稿者プロフィール

武田 純吾
武田 純吾経営コンサルティング事業部部長・ブランディングマネージャー
「お前は、建築業には絶対に進むな...」建設業の厳しさを知り尽くした父から贈られた言葉。けれど、苦労している父親の背中や、「きつい・汚い・危険」と言われる過酷な職場環境で歯を食いしばり懸命に働く家族や職人さんたちの姿が忘れられず「この業界を変えたい」と志し、コンサルティング業界の道に進み10年。豊富な実績を誇り全国の地域No.1工務店からの熱狂的なファンが多く、これまで建築業界にはなかった発想や唯一無二のアイデアで差別化を図り「ゼロからイチをつくる」ブランディングのプロ。2030年には新築着工棟数が半減する未来を見据えるなかで、業界全体の活性化のためにブランディングや生産性向上のノウハウを分かち合う「競争ではなく、共創」の考えを創造し、新たな建築業界の世界観をつくる”先駆者”。

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