ガレージハウスのメリットとデメリットを解説!種類にはどんなものがある?

ガレージハウスとはどんなお家?ガレージの種類を解説!

車が好きな方、車が趣味の方が大事なマイカーを自宅に駐車するためのスペースとして、自宅にガレージを設置することがあります。ガレージには複数の種類がありますが、住宅と一体化したタイプのガレージハウスは、平屋住宅にも組み込んでの設置が可能です。

今回は、住宅に設置されるガレージの種類とその一種であるガレージハウスのメリットやデメリット、平屋にガレージハウスを作る際に注意すべき点をご紹介します。

ガレージの種類について

ガレージの種類には、主に以下で紹介する3種類のタイプがあります。

分離型

分離型のガレージは、住居とは別に車庫やカーポートなどを設置するタイプで、「独立型」と呼ばれることもあるタイプです。車を駐車するためのスペースを確保する必要がありますが、住居と切り離した場所に置かれているため、住居を建てた後に設置できます。

ビルトインガレージ

住居の1階部分を車庫として利用するタイプが、ビルトインガレージです。リフォーム時に組み込む必要があります。

2階建て以上の住居の増築時やリフォームの際にガレージを作るために設置されます。
住居に組み込まれた形なので外観的にも統一感がありますが、本来ガレージ用のスペースではない場所にガレージを置くことになるので、騒音や排気対策を行わなければなりません。

ガレージハウス

ガレージハウスとは、ガレージを住居に組み込んで建てるタイプです。

ビルトインガレージと同様に住居と一体化されたガレージですが、ビルトインガレージが増築やリフォーム時に設置されるのに対し、ガレージハウスは新築時に住居に組み込まれて設置される点が異なります。

ガレージハウスのメリット

3種類あるガレージのうち、ガレージハウスは新築する住居と同時に設置されるタイプのガレージです。このガレージハウスには、以下に挙げる4つのメリットがあります。

車を雨風から守ることができる

一般的な屋根付きの駐車場の場合、弱い雨程度であれば屋根で遮ることが可能ですが、台風接近時やゲリラ豪雨では、どうしても屋根の下まで雨が入り込んでしまい、風も防ぐことは難しくなります。

ガレージハウスであれば、シャッターと壁で囲まれた中に車を停めておけるので、暴風雨のときでも雨や風から車を守りながら保管できます。

防犯性が高い

屋外に駐車した車は第三者が近づきやすいため、いたずらや盗難などのリスクが高くなります。
住居から離れた場所に駐車する場合は、近隣で遊んでいる子供のボールなどが当たったりするなどのトラブルによる損傷のリスクも発生する可能性があります。

住居と一体化したガレージハウスは、シャッターで外部から遮断されているので防犯性が高く、いたずらや盗難、思わぬトラブルの予防につなげられるのがメリットです。

荷物の出し入れが楽

大きい荷物や重い荷物を車で運ぶ際、駐車場から玄関までの距離が長いと、運ぶだけでも一苦労です。
荷物を運ぶときは両手が塞がることが多いので、雨天など悪天候の日は屋根がない駐車場では傘をさせず、雨に濡れてしまいます。

ガレージハウスは住居に組み込まれた構造なので、荷物を運ぶ距離が短く、負担も軽くなります。悪天候時も、濡れることなく家に入れる点も、ガレージハウスの大きなメリットです。

節約効果も望める

家を持っている人には、固定資産税の支払いが発生します。
固定資産税は、住居の広さなどによって算出されますが、ガレージハウスについては住宅の延べ床面積の5分の1の面積未満までが固定資産税の計算対象外となります。

つまり、ガレージハウスの面積の分延べ床面積が少なくなるため、資産価値が低くなると考えられることから、固定資産税の額が安くなる節約効果が望めるのです。

ガレージハウスのデメリット

荷物の出し入れを容易にしてくれたり、防犯効果や節約効果も期待できたりするガレージハウスですが、メリットばかりではありません。メリットと同時にいくつかのデメリットもあるので、ガレージハウスの設置を検討する場合はデメリットも必ず押さえておきましょう。

居住空間が狭くなってしまう

ガレージハウスを作るには、最低でも車1台分が余裕を持って停められるスペースの確保が必要です。
多くの場合、1階の大部分がガレージハウスに占められます。

限られた土地で住居を建てる場合はスペースに限りがあるため、ガレージハウスに面積を取られてしまうと、肝心の居住空間に使えるスペースが狭くなってしまうのがデメリットです。
住居の階層を増やすことで居住空間を増やすことは可能ですが、階層が増えると階段の上り下りの負担が増える問題も出てしまいます。

家を建てた後のサイズ変更が難しい

ガレージハウスは新築時に設置するものですが、最初から住居に組み込まれているため、家を建てた後にもう1台分のスペースを増やしたい、もう少し大きい車を駐車したいので広くしたいなどのサイズ変更が難しくなります。

家を建てる時点で、駐車する車のサイズや台数をあらかじめ決めておく必要があります。

建築費が割高となる

住宅の1階部分に設置するガレージハウスは、そもそも建築費用が高くなるものです。
車の出し入れのために間口を広く取る必要があることに加えて、1階部分の空間が広くなる構造のため、一般的な住宅より強度が落ちやすい構造です。

木造住宅では強度が不十分の場合、より強固な鉄骨造やコンクリート造を選択する必要も出るため、一般的な住宅よりも建築費が割高になる可能性があります。

換気や防音、照明の器具が必要

ガレージハウスは住宅に組み込まれているので、家の内部に車を停めるようなものです。
ガレージハウス内で車を動かす際、エンジン音や排気ガスが気になることが出てきます。

これらの問題を解決するためには、ビルトインガレージと同様に排気ガスを外へ逃がすための換気扇や騒音を抑えるための防音対策が必要です。
また、シャッターを下ろしたガレージハウス内は真っ暗になるので、暖機運転時やガレージハウス内で作業をするときなどに備えて、照明設備も設置しなければなりません。

平屋でガレージハウスを作る時の注意点

ガレージハウスは2階建て以上の住宅だけではなく、平屋住宅とともに作ることも可能です。しかし、2階建て住宅とは異なる点があるため、以下で紹介する2つのポイントに注意して作りましょう。

居住スペースの確保

ガレージハウスを作るには、居住スペースとは別に駐車スペースが必要です。

ガレージハウスが占める面積は、決して小さくありません。
平屋の場合は居住スペースを上層階へ積み上げられないため、居住スペースが狭くなってしまいます。ガレージハウスを組み込んだ平屋を設計するには、余裕のある居住スペースを確保して間取りを配置することがポイントです。

振動対策を行う

居住スペースに隣接して配置されるガレージスペース内で車を動かすと、エンジン音の振動が住宅内に伝わりやすく、特に深夜や早朝に騒音や振動が気になることが多くなります。
すべての居住スペースとガレージハウスが同じ階層に配置されている平屋では、2階建て以上の住宅よりも家の中で振動が気になりやすいため、振動対策は必須です。

日中でも振動が気になる方は多いため、寝室に加えて日中の時間帯を多く過ごすリビングルームはガレージハウスから離した間取りにしましょう。

まとめ

ガレージハウスは防音や振動対策が必要な上、居住スペースに制限が出ることがありますが、大事なマイカーを雨風から守りやすく防犯対策もでき、節税効果も得られます。平屋にガレージハウスを作る際もいくつかの注意点がありますが、今回ご紹介した情報を参考に、快適に暮らせて車を大切に保管できるガレージスペースを作りましょう。

投稿者プロフィール

武田 純吾
武田 純吾経営コンサルティング事業部部長・ブランディングマネージャー
「お前は、建築業には絶対に進むな...」建設業の厳しさを知り尽くした父から贈られた言葉。けれど、苦労している父親の背中や、「きつい・汚い・危険」と言われる過酷な職場環境で歯を食いしばり懸命に働く家族や職人さんたちの姿が忘れられず「この業界を変えたい」と志し、コンサルティング業界の道に進み10年。豊富な実績を誇り全国の地域No.1工務店からの熱狂的なファンが多く、これまで建築業界にはなかった発想や唯一無二のアイデアで差別化を図り「ゼロからイチをつくる」ブランディングのプロ。2030年には新築着工棟数が半減する未来を見据えるなかで、業界全体の活性化のためにブランディングや生産性向上のノウハウを分かち合う「競争ではなく、共創」の考えを創造し、新たな建築業界の世界観をつくる”先駆者”。

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