住宅ローンの審査に通らない8つの理由とは?審査時のチェック項目とNG行動も紹介

マイホームの購入を考えているけれど、「住宅ローンの審査に通らないかも」と不安を感じたり、住宅ローンの審査に通らない理由を知りたいと考えていたりする方も多いのではないでしょうか?

今回は、住宅ローンの審査に通らない理由について紹介します。また、金融機関が審査の際にチェックするポイントや、チェックポイントを満たしているのに審査に落ちるパターンについても紹介しますので、参考にしてください。

「住宅ローン」とは?

住宅を購入または建築するために必要な資金を借りるための融資商品の一つです。多くの人が住宅を購入する際には、自己資金だけでは不足するため、銀行や金融機関から住宅ローンを利用して資金を調達します。

住宅ローンの審査に通らない8つの理由


住宅ローンは、融資を申し込む人の経済的・社会的状況(個人属性といいます)を基準にして融資の是非が判断されます。

ここで説明する住宅ローンの審査に通らない理由は8つです。

収入が少ないまたは不安定
勤続年数が少ない
正社員ではない
個人信用情報に傷がある
借入金額が高い
購入物件の価値が低い
借入時・完済時の年齢が高齢
持病など健康に問題を抱えている

収入が少ないまたは不安定

収入が少ないまたは不安定な場合は、住宅ローン審査に通らない可能性があります。

借入希望額に対して収入が少ない場合は、審査が受けられないこともあります。

収入が不安定な方が住宅ローンに落ちて2つの例
・年俸制や歩合制の給与制度
・個人事業主と働いている方

このようなローンを継続的に返済することが難しいと判断されてしまった場合はローンの審査に通りにくくなってしまいます。

年俸制や歩合制、個人事業主など、収入が不安定な場合は、ローンの継続的な返済が難しいと判断されやすく、審査に通りにくくなります。

勤続年数が少ない

勤続年数が少ない場合も審査に通らない場合があります。

住宅ローンに落ちてしまう勤続年数が少ない方の例
・転職したばかりの人
・独立開業や個人事業主になりたての人

上記のような勤続年数の少ない方は、収入が安定していないと金融機関に認識されてしまうためローンの審査で不利になってしまいます。

金融機関によって異なりますが、勤続年数2年~3年を審査基準にしている金融機関が多いためです。

正社員ではない

雇用形態が派遣社員やフリーターなどの場合、審査に通らない可能性があります。

融資の是非を判断する基準
・安定した収入があるのか
・継続して返済ができるのか

雇用形態が派遣社員やフリーターの場合は、収入と返済の安定性が不安視されるため、審査に通らない可能性が高くなります。

個人信用情報に傷がある

借入希望者の個人信用情報に何らかの傷がある場合も、審査に通らない可能性が高くなります。

金融機関は借入希望者の個人信用情報を必ず確認します。

個人情報に傷がついてしまう主な例
・他のローン返済遅延履歴がある
・携帯電話料金の支払いが遅れてしまったことがある
・クレジットカードの支払いが遅れてしまった
・奨学金の返済を滞納してしまった

上記のように個人情報に傷がついてしまうと住宅ローンに通ることが難しくなってしまいます。

借入金額が高い

借入金額が年収の5倍~7倍以上になってしまうと、借入金額が高いと判断されてしまい住宅ローンに通りにくくなってしまいます。

年収や雇用形態などの基準を満たしている場合でも、借入希望額があまりにも高いと返済負担率が高くなりやすく、審査が厳しくなるからです。

返済負担率とは「年収に占めるローンの年間返済額の割合」のことで、自動車や教育資金などの他のローンも合算して計算されます。

購入物件の価値が低い

購入する物件の市場価値が低すぎる場合も、審査に通りにくくなります。

返済不能に陥った場合、物件を売却して融資を回収できるかどうかが審査時にチェックされるからです。

住宅ローンでは購入物件を担保にするため、中古住宅で築年数が長い場合などは注意が必要です。

借入時・完済時の年齢が高齢

住宅ローンの借入時の年齢が高齢の場合も、審査に通らないケースがあります。

金融機関の多くが、住宅ローン借入時の年齢上限を65歳程度、完済時の年齢上限を80歳程度に設定しているためです。

高齢での借入は返済期間が逆算して決まります。
返済期間が短くなり、月々の返済額が高くなるため、借入時や完済時の年齢が好例だと審査も厳しくなります。

持病など健康に問題を抱えている

借入希望者が健康問題を抱えている場合も、審査に通らない可能性が高くなります。

多くの金融機関で、団体信用生命保険(団信)への加入が住宅ローンの審査を突破するための条件となっています。
団信とは、ローン返済中に加入者が死亡するなど、万が一のことがあった場合に保険金によって住宅ローンが完済されるための保険です。

団信に加入できない場合は、審査に通りにくくなるので注意が必要です。

住宅ローン審査で重点的にチェックされているポイントは何個ある?

金融機関が行う住宅ローンの審査には、重点的にチェックされるポイントがいくつかあります。

国土交通省では、民間住宅ローンの供給実態を把握することを目的にした「民間住宅ローンの実態に関する調査」を行っています。

令和2年度 民間住宅ローンの実態に関する調査報告書(国土交通省 住宅局)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001394336.pdf

そのなかの「金融機関が融資を行際に考慮する項目」についてのアンケート結果をもとに、審査で見られるポイントを9つ紹介します。

年齢について

住宅ローン審査では、借入希望者の「借入時年齢」「完済時年齢」がチェックされます。

多くの金融機関で借入時・完済時の年齢条件を設定しています。

年齢の項目では2つの基準をもとに判断されています。
・完済時の年齢でローン返済ができる
・十分な収入や担保にできる資産がある

健康状態について

住宅ローンでは、借入希望者の健康状態がチェックされます。

住宅ローンの審査を突破するためにも団体信用生命保険に加入し、借入希望者が死亡した際に住宅ローン返済の対策をする必要があります。

団体信用生命保険に加入するために健康診断書や人間ドッグの検査結果の提出が求められます

物件の担保評価について

購入する物件の担保評価についても確認されます。
住宅ローンの保証会社がチェックを担当し、競売で売却可能かを確認します。

将来的な開発地域でない限り、評価額(売却価格)は購入金額よりも低くなり、金額に応じて融資額が変動します。

年収について

住宅ローンの融資額に大きく影響するのが年収です。

住宅ローンでは年収の30%~35%(返済負担率)を支払額(月額)として算出します。年収によっては希望する借入額に届かない可能性もあります。

勤続年数と雇用形態

住宅ローン審査では勤続年数と雇用形態も必ずチェックされており、雇用形態によって求められる勤続年数が異なっています。

正社員であれば、勤続3ヶ月程度から審査可能となるのが一般的です。

契約社員の場合は以下のような基準を満たしている必要があります。
・社会保険に加入している派遣社員であれば同一勤務先に3年以上
・個人事業主であれば直近3期分の所得が黒字になっている

上記が審査の最低条件として必要になります。なお、それぞれの基準は金融機関によって異なります。

連帯保証

住宅ローン審査では、連帯保証人の有無について確認されます。

連帯保証人が付けば融資金額が増える可能性があります。
連帯保証人は借入人の配偶者や親族となるケースが一般的ですが、慎重に検討する必要があります。

金融機関の営業エリア

購入物件が金融機関の営業エリア内かどうかについても確認されます。

住宅ローンの融資対象となるのは、金融機関の営業エリアに購入物件がある場合だけですので、申込時には注意が必要です。

借入希望額

住宅ローンの借入希望額についてもチェックされます。

年収に対して借入希望額が高すぎる場合は、審査に通らなかったり、融資額が減額されたりすることがあります。

信用面

住宅ローンの審査では借入希望者の信用情報が確認されます。

他のローンの支払状況は信用情報に記録されています。
3ヶ月以上延滞していると「異動」と記録され、住宅ローンの審査を通過することはありません。

支払完了から5年は記録されたままとなるため、十分に注意しましょう。

ポイントをクリアしても審査に通らなくなる3つのNG行動

住宅ローンのチェックポイントをクリアしているのに審査に通らない場合は、何かしらのNG行動を起こしている可能性があります。

審査に通過するためのやってはいけないことを紹介します。

情報を偽る

住宅ローン申込時に申告する情報を偽ってはいけません。

虚偽申請は提出書類や信用情報の紹介などでバレてしまう可能性が高くなります。

情報の虚偽記載が理由で審査に通らない場合、ローン解約ではなく手付解除(手付金の没収)となるケースもあるため、注意が必要です。

複数の金融機関で審査を行う

複数の金融機関で住宅ローンの審査を行ってはいけません。

ローンを申し込んだことや審査に通らなかったことは信用情報に記録され、他の金融機関でも確認できます。

短期間に複数の金融機関で審査をした場合、「審査落ちを繰り返している」と判断され審査通過が難しくなります。

住宅ローンの申込情報は半年程度記録されますので、一定の期間を空けて申込をし直すことが重要です。

住宅ローン以外のローンを複数借りて金策する

こちらも信用情報に記録が残るため、 住宅ローン以外のローンを使って金策するのもおすすめしません。

住宅ローンの返済負担率は、他のローン残高と合算されるため、審査に通りにくくなります。

まとめ

今回は住宅ローンに通らない理由を説明しました。
ローンの審査に落ちてしまっても、冷静に対処することによって再審査でローンに通る可能性はあります。

審査されているポイントを理解して適切に対策をして再審査に臨んでいきましょう。

投稿者プロフィール

武田 純吾
武田 純吾経営コンサルティング事業部部長・ブランディングマネージャー
「お前は、建築業には絶対に進むな...」建設業の厳しさを知り尽くした父から贈られた言葉。けれど、苦労している父親の背中や、「きつい・汚い・危険」と言われる過酷な職場環境で歯を食いしばり懸命に働く家族や職人さんたちの姿が忘れられず「この業界を変えたい」と志し、コンサルティング業界の道に進み10年。豊富な実績を誇り全国の地域No.1工務店からの熱狂的なファンが多く、これまで建築業界にはなかった発想や唯一無二のアイデアで差別化を図り「ゼロからイチをつくる」ブランディングのプロ。2030年には新築着工棟数が半減する未来を見据えるなかで、業界全体の活性化のためにブランディングや生産性向上のノウハウを分かち合う「競争ではなく、共創」の考えを創造し、新たな建築業界の世界観をつくる”先駆者”。

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