憧れてた人も多いはず!オシャレな屋根裏部屋をつくりたい!
「屋根裏部屋」と聞くとワクワクする方もいらっしゃるのではないでしょうか。
屋根裏部屋は、収納スペースとしてはもちろん、子ども部屋として、はたまた“大人の隠れ家”として趣味の部屋や書斎として、その利用方法は皆さんのアイデア次第です。
今回は屋根裏部屋を設置する場合に知っておきたい、基礎知識をご紹介します。
目次
屋根裏部屋は「部屋」じゃない!?
屋根裏部屋は、屋根と天井の間に広がるスペースを利用した「部屋」というイメージを持たれている方が多くなっています。
しかし、建築基準法において屋根裏部屋は「物置」として扱われる空間です。
屋根裏部屋には法律上の制限が何かあるの?
屋根裏部屋は、建築基準法上「物置」と定義され、さまざまな規定があります。規定されたサイズ以上の屋根裏部屋をつくることもできますが、その場合は「階」になり、いくつかの問題が生じる場合もあるので注意が必要です。
法律上、屋根裏部屋としてみなされるには以下の条件をクリアする必要があります。
「高さ」の制限
天井の高さは1.4mまでなら「物置」としてみなされます。
「面積」の制限
屋根裏部屋の面積は、階下の床面積の2分の1未満です。
屋根裏部屋の床面積が階下の床面積の2分の1以上になると「階」に該当します。そのため、固定資産税や保険料がアップしたり、構造上の基準も変わります。
その他の制限
高さ、面積以外にも、お住まいの自治体によっては屋根裏部屋の制限が異なります。
高さ・面積以外の屋根裏部屋の制限
・屋根裏部屋に固定階段を設置することはできない。
・設置できる窓はあくまでも「換気用」としてのみ認められる。
・コンセント、造作家具、畳やタイルカーペットなど設置が認められない場合がある。
屋根裏部屋はあくまでも「物置」としての利用を前提としているので、初めから「部屋」としての利用を考えた設備の設置については認められない場合があります。
自治体によって制限の範囲は異なるので、計画段階で自治体や建築の専門家に確認することが必須です。
屋根裏部屋のメリットとデメリット
大容量の収納スペースとして、または自分好みに使える特別な空間として、屋根裏部屋を活用したい!方は多いことでしょう。ここでは屋根裏部屋をつくることのメリットとデメリットを紹介します。
屋根裏部屋のメリットとは
アイデア次第でいろいろな使い方ができる屋根裏部屋。そのメリットは大きく分けて3つあります。
固定資産税や保険料に計上されない
建築基準法上、屋根裏部屋は「物置」として定義されたスペースのため、「高さ」と「面積」に下記のような制限があります。
屋根裏部屋の制限
・天井高が1.4mまで
・階下の床面積の2分の1未満
・その他の制限(お住いの自治体によって異なる場合がある)
上記ルールに則ってつくった屋根裏部屋であれば「階」にカウントされません。
つまり、床面積や容積率に含まれないスペースということで、固定資産税や保険料には計上されない“お得”なスペースとなります。
たとえば、3階建てが建てられない敷地でも、2階+α(屋根裏部屋)のスペースがお得に確保できる可能性もあります。
静かで、落ち着く空間ができる
屋根裏部屋は子どもたちの遊び場や寝室、または趣味の部屋として利用されることが多いです。
“屋根裏”は人目に付かない場所ということもありますが、適度に天井の低い空間は心理的に快適さをもたらす効果があるといわれています。
大容量の収納スペースができる
屋根裏部屋は、階下の床面積の2分の1未満までスペースを確保できるので、大きなものもたくさん収納することができます。
屋根裏部屋のデメリットとは
“屋根裏部屋”ならではのデメリットもあります。くわしく見ていきましょう。
熱や湿気がこもりやすい
屋根裏部屋は位置的に熱や湿気がこもりやすいため、換気対策をすることによってより過ごしやすい空間となります。
換気扇や小窓を取り付けるなどの空気を循環させる設計にしておくことが大切です。
また、暑い屋根裏を涼しくするためにエアコンを設置することも考えられますが、法律上、屋根裏部屋はあくまでも「物置」です。
初めから屋根裏部屋を「部屋」として利用するつもりでエアコンやコンセントといった設備を取り付けることは認められない場合があるので注意が必要です。
設置できる「窓の面積」にも制限がある
屋根裏部屋の明かり取りや換気対策として「窓」は必須です。
屋根裏部屋にはオシャレな窓にあこがれている方も多いです。しかし、屋根裏部屋に設置できる窓にも法律上の規制があります。
屋根裏部屋に設置するすべての窓の合計面積は、屋根裏部屋の床面積の20分の1未満である必要があります。
でなければいけません。自治体によってはさらに細かく規定しているところもあるので、計画の時点でしっかり確認しておきましょう。
「はしご」が原因で、使わなくなることも……
法律上、屋根裏部屋には安全に上り下りできる固定階段を設置することができません。
そのため折り畳み式やタラップ式の「はしご」で上り下りをすることになりますが、角度が急だったり、大きな荷物をもって上がるには面倒などの理由で、いつの間にか使わなくなってしまうこともあるようです。
憧れの屋根裏部屋、どうやって使う?
屋根裏部屋のメリットを十分に活かすためには、あらかじめ使用目的を決めてプランニングすることが大切です。
アイデアや工夫次第で可能性広がる! 屋根裏部屋の使い方
屋根裏部屋は天井の高さや床面積などさまざまな制限がありますが、アイデアと工夫次第で使い方は無限に広がるスペースです。
広い収納スペースとして使うなら……
広い収納スペースを有効活用する事例として下記があります。
収納スペースを有効活用する方法
・ひな人形、こいのぼり、クリスマスツリーなどイベントごとに出し入れするもの
・ストーブ、扇風機など季節ごとに出し入れするもの
・テント、キャンプ用品、スキー、スノボ、釣り道具などのレジャー用品
上記のように活用をすることによって、スペースを効果的に活用することが出来ます。
寝室として使うなら……
屋根裏部屋を寝室として活用したい場合には、室温や湿度を快適にする対策を事前にしておくことが必須です。
屋根や壁・床には断熱材や遮熱材を入れ、断熱・遮熱対策をしっかり行うことが必要です。換気や空調もできる限りの対策をとりましょう。
子ども部屋として使うなら……
少々狭い屋根裏部屋でも、小さなお子さんにとっては“自分だけの特別なスペース”です。ワクワクする空間を子供に使ってもらうことによって創造性や自立心が育ちます。
屋根裏は目につかない場所なので、お子さんの様子(気配や声)が伝わるような設計にすると安心です。
書斎として使うなら……
大人にとっては少し腰を低くしないと移動できない天井高の屋根裏部屋ですが、イスや床にじかに座って作業をするならば、十分快適に過ごすことができます。
また、適度に天井の低い空間はリラックス効果があるといわれています。だから、天井高1.4mの空間は、静かにリモートワークをこなす書斎や、体を横たえる寝室にぴったりの環境と言えるでしょう。
まとめ「屋根裏部屋について知っておきたいこと」
屋根裏部屋をつくりたい方は知っておいてほしいポイントをまとめました。
・屋根裏部屋には建築基準法上、高さと面積、窓の面積に制限があります
・自治体によってもさまざまな制限があります
・高さと面積など一定の条件をクリアすれば、屋根裏部屋は延床面積には含まれず、固定資産税や保険料に計上されません
・屋根裏部屋には換気・断熱・遮熱対策を忘れずに
・屋根裏部屋は収納のほか、趣味やワークスペースなど使い方は自由自在!
屋根裏部屋は高さや面積に制限があるものの、アイデアと工夫次第でいろいろな使い方が出来ます。
屋根裏という特性上、換気や断熱・遮熱対策が欠かせませんが、しっかり対策を行えば憧れていたオシャレで快適な空間が出来上がります。
まずは理想の屋根裏部屋のイメージを具体的に固めることから始めましょう。
投稿者プロフィール
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「お前は、建築業には絶対に進むな...」建設業の厳しさを知り尽くした父から贈られた言葉。けれど、苦労している父親の背中や、「きつい・汚い・危険」と言われる過酷な職場環境で歯を食いしばり懸命に働く家族や職人さんたちの姿が忘れられず「この業界を変えたい」と志し、コンサルティング業界の道に進み10年。豊富な実績を誇り全国の地域No.1工務店からの熱狂的なファンが多く、これまで建築業界にはなかった発想や唯一無二のアイデアで差別化を図り「ゼロからイチをつくる」ブランディングのプロ。2030年には新築着工棟数が半減する未来を見据えるなかで、業界全体の活性化のためにブランディングや生産性向上のノウハウを分かち合う「競争ではなく、共創」の考えを創造し、新たな建築業界の世界観をつくる”先駆者”。
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