1,000万円で新築・平屋を建てたい! 大満足できる平屋をローコストで建てるポイントとは?

ワンフロアで開放的な空間や快適な家事動線を確保できるため、最近注目を集める「平屋」。

とはいえ、戸建て住宅のほとんどが2階建て以上ということは、多くの人が平屋を建てることをあきらめている……とも考えられます。
場合によっては2階建て住宅よりも建築費が高額になってしまうこともその要因として挙げられますが、本当に1,000万円で建てることはできないのでしょうか!?

そこで今回は、ローコストで平屋を建てる方法を探ってみたいと思います。

「平屋」とは?

住宅の構造の一つで、地上に1階だけを持つ住宅のことを指します。階段のないフラットな構造が特徴で、日本の伝統的な建築スタイルでもあります。さらに、室内のレイアウトに自由度があります。広い空間を有効に活用できるため、家具の配置や間取りの変更がしやすく、家族のライフスタイルに合わせたカスタマイズが可能です。

1,000万円で平屋が建てられるって本当ですか?

結論から言うと、建てられます。
建てられますが、綿密な準備と工夫が必要です。

平屋を建てるためには適した環境の敷地が必要だということと、ワンフロアに必要な設備や間取りを組み込む必要があるために「坪単価」が高くなるということから、平屋=高額というイメージが付きまといます。

しかし、平屋に限らず住まいづくりはお金をかければよいわけではありません。
本当に必要なモノ・部分にお金をかけ、必要性のないものは潔くコストカットすることが暮らしやすい住まいづくりには欠かせない視点です。

構造やデザインを工夫し、効率的な住まいづくりを極めれば、1,000万円でセンスの良い暮らしやすい平屋を建てることも夢ではありません。

1,000万円で平屋を新築する際に絶対外せないポイント4つ

暮らしやすい平屋を建てるためには絶対に外せない・手を抜いてはいけないポイントが4つあります。順を追ってみていきましょう。

<絶対外せない4つのポイント>
・断熱性能
・耐震性能
・省エネ性能
・設計・デザイン力

断熱性能

平屋はその構造上、夏には室内の温度が上昇しやすく、健康面や経済面への影響を考えると「断熱性能」を重視したほうがよいとされています。

平屋が暑くなりやすいのには原因が2つあります。
原因の1つ目は、平屋は屋根からの熱を遮る上階がないこと。屋根から直接熱が伝わるため、家全体が暑くなります。

2つ目は、採光を優先させた間取り。上階がない平屋は日当たりの確保のため、大きな窓や天窓を採用することが多いのですが、結果として特に夏場の室温を上げることになってしまいます。

このような理由から、建築費を抑えるために断熱性能を無視した家づくりはおすすめできません。

耐震性能

一般的に、平屋は耐震性が高い建物であるといわれています。
2階建て以上の建物に比べ、重心が低く保たれて地震による揺れが抑えられるためです。
また、地震の揺れへの強さは、建物の形状にも影響されます。
正方形や長方形などの四角形に近いほど、振動が分散され倒壊リスクが低減されます。

とはいえ、構造がしっかりしていないと、耐震性能は低下します。
安心できる住まいにするためには、建物の地震の揺れへの強さを表す耐震等級にもこだわりましょう。

<地震に対する強さを示す耐震等級とは>
・耐震等級1/建築基準法で定められた最低限の耐震性能基準。震度6強~7程度の地震で倒壊しないレベルを想定。
・耐震等級2/耐震等級1の1.25倍の耐震性能。公民館や学校など災害時の避難所に求められる基準と同じ。
・耐震等級3/耐震等級1の1.5倍の耐震性能。大地震でもダメージが少なく、住み続けられるレベルを想定。消防署や警察署などに求められる基準と同じ。

省エネ性能

建築費をローコストに抑えたとしても、電気・ガス・水道などの光熱費にコストがかかってしまっては意味がありません。
断熱性能や省エネ性能を高めることで暮らしやすい住まいになり、光熱費を抑えることができます。
省エネの住まいにするためには、以下の3点に着目しましょう。

1.高断熱・高気密である
冬は暖かく、夏は涼しく過ごせるため、エネルギー消費と冷暖房費が抑えられます。

2.省エネ効率のよい設備である
24時間換気システム・冷暖房設備・給湯器・家電・水栓などの省エネ効率をチェック。

3.太陽光発電と家庭用蓄電池の導入
太陽光で発電し、家庭用蓄電池に貯めた電気を使用すれば光熱費とエネルギー収支はゼロに。

設計・デザイン力

ローコストで家を建築する際、建築費節約のために外観デザインや内装について妥協してしまいそうになるかもしれませんが、それはおすすめできません。

例えば何の変哲もないデザインに物足りなさを感じて、新しい住まいでの暮らしを楽しめなくなってしまうからです。

高価な建材や資材を使わなくても、お好みのテイストに、センス良く仕上げることは可能です。
建築を依頼しようと考えている工務店や建築会社の施工事例やプラン例などを事前に確認しておきましょう。

ローコストで、暮らしやすい平屋をつくるには……

ローコストで暮らしやすい平屋を作るコツは、とにかく「無駄なコスト」を抑えること。
コストを削減する5つのコツについて順を追ってみていきましょう。

<コスト削減5つのコツ>
・不要な設備、機能は付けない
・複雑な構造は避け、シンプルなデザインに
・無駄をなくしてすっきりした間取りに
・選択肢として規格住宅もあり!
・地元の工務店に依頼する

不要な設備・機能は付けない

注文住宅として平屋を建てる場合は、施主さんの好みで設備や機能を選ぶことができます。

ついつい最新型のキッチンやシステムバスなどを取り入れたくなってしまいますが、当然ですがハイスペックであるほど高価になります。

本当に必要な機能か、ほかで代用できる設備ではないか、などひとつひとつ冷静に判断することが大切です。

複雑な構造は避け、シンプルなデザインに

凝りに凝ったデザインにすると、資材・建材を多く使用することになるので想定以上にコストがかかってしまう場合もあります。

また、複雑な構造は建物の耐震性能の低下を招くことがあるので、できれば揺れに強い正方形・長方形に近い形にし、屋根もシンプルな形を採用するほうがよいでしょう。

無駄をなくしてすっきりした間取りに

建築費を抑えるためには、平屋の間取りにはちょっとした工夫が必要です。

廊下や玄関ホールに必要以上に床面積をあてがわない、なるべく収納スペースは大型のものを一つ備えて集約するなどの工夫で床面積を減らすとコストダウンが可能になります。

また、部屋を細かく区切らないシンプルな間取りにすると、ちょっとしたメンテナンスやリフォームによって暮らしやすさが継続する住まいになります。

選択肢として規格住宅もあり!

規格住宅とは、建設会社や工務店があらかじめ用意した間取りプランから選んで建てる住まいのこと。より好みに近づける「カスタマイズ」が可能なプランを用意しているところもあります。

設備や性能などもプランとしてパッケージされているので、ケースによってはお得なことも。選択肢の一つとして検討してみるのもよいでしょう。

地元の工務店に依頼する

一般的に、テレビCMなどの広告を大々的に打っているハウスメーカーに比べると、広告宣伝費にあまり予算をかけられない建設会社や工務店の建築費は抑えられている傾向がみられます。

そこで、おすすめしたいのは地域密着型の工務店。
集客方法はクチコミがほとんどで宣伝費が抑えられているため、ローコストで建築できるというメリットがあります。

また、平屋の建築を得意とする工務店もありますので、施工実績とあわせて探してみましょう。

まとめ

1,000万円で平屋を新築することは可能です。

しかし、センスが光り、暮らしやすい平屋を建てるには、断熱性能・耐震性能・省エネ性能・設計、デザイン力などぜひこだわってほしい4つのポイントがあります。

また、ローコストを実現させるためには、無駄な設備・機能はカットするなど冷静な判断が必要です。

今回、紹介したポイントを参考に、理想の平屋をリーズナブルに実現してみませんか?

投稿者プロフィール

武田 純吾
武田 純吾経営コンサルティング事業部部長・ブランディングマネージャー
「お前は、建築業には絶対に進むな...」建設業の厳しさを知り尽くした父から贈られた言葉。けれど、苦労している父親の背中や、「きつい・汚い・危険」と言われる過酷な職場環境で歯を食いしばり懸命に働く家族や職人さんたちの姿が忘れられず「この業界を変えたい」と志し、コンサルティング業界の道に進み10年。豊富な実績を誇り全国の地域No.1工務店からの熱狂的なファンが多く、これまで建築業界にはなかった発想や唯一無二のアイデアで差別化を図り「ゼロからイチをつくる」ブランディングのプロ。2030年には新築着工棟数が半減する未来を見据えるなかで、業界全体の活性化のためにブランディングや生産性向上のノウハウを分かち合う「競争ではなく、共創」の考えを創造し、新たな建築業界の世界観をつくる”先駆者”。

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