リビングの最適な広さってどれくらい? リビングの快適さを決めるポイント4つ

「リビング」についてあれこれ考えることは、住まいづくりにおいて大きな楽しみのひとつ。
開放感あふれる空間に、お気に入りの家具や最新式の家電を配置して……など想像するだけでワクワクします。
ところが、予算や敷地面積などの条件が影響して理想を100%叶えることが難しい場合も……。

そこで今回は、最適なリビングの広さを考えてみたいと思います。
どのくらいの広さがあれば家族が快適に過ごせるのか、4つの観点からアプローチする方法をお伝えします。

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「リビング」とは?

住宅の中心的な居室であり、家族が集まりくつろぎや交流をする場所です。一般的には、ダイニングと一体化していることが多く、日常生活の中で最も多くの時間を過ごす場所となります。

リビングの役割

リビングはただ漠然と「人が集まる場所」ととらえていませんか?
在宅勤務やオンライン学習などを行ったり、ゆったりと過ごすためのスペースなどさまざまな用途がありますが、何よりも家族が顔を揃えてコミュニケーションを図ることのできる大切なスペースという役割があります。

居心地の良いリビング、快適なリビングには一体どのくらいの広さが必要なのでしょうか?
まずは「リビング」とは何か、からおさらいしていきましょう。

LDKは何を意味しているの?

新築や賃貸の物件情報でリビングにあたる場所に「LDK」と表記されているのをよく見かけますよね。L・D・Kはそれぞれ、

「L」はリビング、居間
「D」はダイニング、食事をする場所
「K」はキッチン、台所

を表し、居間と食事をする場所と台所がひとつの空間に配置された場所を意味しています。

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清菱建設のリビング部分の広さ
・畳数:10畳(リビング・ダイニングで11畳)
・ソファー4人用(3人家族)
・テレビボード 幅:奥行き=1.6:0.4

同じLDKでも間取りによって区別があります

また、同じLDKでも、間取りの工夫でリビング(L)とダイニングキッチン(DK)が分離している場合は「L・DK」、キッチンが独立した間取りの場合は「LD・K」と表記することもあります。

リビングの広さの平均はどれくらい?

ある不動産情報サイトの調査(2020年)によると、首都圏で購入された新築戸建て(分譲)の建物面積の平均は99㎡でした。

99㎡あれば20畳ほどの広さのリビング(LDK)を作ることもできますが、3・4部屋用意したい場合やキッチンとの兼ね合いを考えるとリビング(LDK)は「16~20畳」が平均的な広さと言えそうです。

リビングの広さを考える4つのポイント

リビング(LDK)は16~20畳あれば快適な動線を保つことができますが、平均的な広さにしておけば間違いはない……というわけではありません。

自分たちにぴったりなリビング(LDK)の広さは、家族構成やインテリアに関するこだわりなどが大きく影響してきます。
では、快適な広さを考える4つのポイントを見ていきましょう。

建人のリビングの写真

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建人のリビングについて
・リビングの広さ:10畳
・ソファー   :2人掛け
・テレビボードの広さ
幅  :3.5m
奥行き:40cm

「家族の人数」から広さを考える

まずは家族の人数からリビング(LDK)の広さを考えてみましょう。
今は夫婦とお子さんが1人であっても、お子さんが増えたり、ご両親との同居などで家族の人数が増える予定はありませんか?

例えばダイニングテーブルは、家族の人数にあったサイズを選びたいもの。テーブルなどの家具のサイズはリビングの広さにも影響します。
家族の人数と快適に過ごせるリビング(LDK)の広さの目安として、

・2~4人の場合:16畳~(リビング6畳、ダイニング5畳、キッチン5畳)
・5~6人の場合:18畳~(リビング7畳、ダイニング6畳、キッチン5畳)

このくらいの広さがあるとよいとされています。

置きたい「家具・家電」のサイズから考える

ダイニングテーブルやソファーなどの家具を置くには、リビング(LDK)には最低でも生活するのに不便にならないスペースと動線(通路)を確保できる面積が必要です。

新しい住まいにぜひとも置きたい家具がある、またはずっと長らく愛用してきたお気に入りの家具がある、あるいはお子さまのためにピアノを置く予定がある……そのような場合には設計の段階で工務店やハウスメーカーに伝えておきましょう。
事前に設置したい家具のサイズがわかっていれば、最良の形で間取りのプランに落とし込むことができますが、プランができあがった後では、プランを練り直さなければならないこともあり得ます。

次に、ダイニングテーブル、ソファー、テレビを設置するのに必要なスペースを紹介します。
家具選びの際の参考にしてみてください。

◆ダイニングテーブルを置くのに必要なスペース(目安)
・2人用:約2.6畳~
・4人用:約3.4畳~
・6人用:約4.3畳~

◆ソファーを置くのに必要なスペース(目安)
・1人掛け:4.5畳~
・2人掛け:6~8畳~
・3人掛け:8畳~

◆テレビを置くのに必要なスペース(目安)
・43型:4.5畳~
・52型:8畳~
・70型:10畳~
※テレビを置く最適な距離は「画面の高さ×約3倍」、4Kテレビなら「画面の高さ×約1.5倍」と言われています。

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福富住宅のリビングの広さ
・リビングの広さ   :10.5畳
・壁掛けテレビの大きさ:55インチ

「キッチンの形状」から考える

キッチンには大きく分けて2種類あります。ペニンシュラキッチンとアイランドキッチンです。
どちらを選ぶかによってリビング(LDK)の広さは大きな差が現れます。

◆キッチンに必要なスペース(目安)
・ペニンシュラキッチン:約4~5畳
・アイランドキッチン:約6~8畳

リビング(LDK)の広さは、キッチンに必要なスペースを含めた広さになります。
例えば平均的なリビングの広さ「16畳」にペニンシュラキッチン「4畳」を設置する場合、【16畳-4畳=12畳】なので、リビング(L)とダイニング(D)に充てられるスペースは「12畳」になります。

「リビングの形状」から考える

リビング(LDK)の形状は「I型(縦長)」「L型(横長)」「セパレート型」に分類することができます。
リビング(LDK)はその形状によって、同じ面積でも開放感がある印象を与えたり、逆に狭く感じてしまうことがあります。
それぞれの形状の特徴を見ていきましょう。

・I型(縦長)LDK

リビング(L)・ダイニング(D)・キッチン(K)が一つの空間にまとまっているため、視界が開けて広々と感じられます。
しかし、間口が狭い場合には、家具や家電のサイズを厳選しないと、面積の割には狭く感じられることもあるので注意が必要です。

・L型(横長)LDK

L型のリビング(LDK)は、L・DK(リビング、キッチンとダイニング)、またはLD・K(リビングとダイニング、キッチン)のようにスペースをゆるやかに分けた間取りです。
ただし、余裕のあるプランにするためには20畳以上の面積が必要になります。

・セパレート型LDK

L型のプランよりもさらにリビング(L)のスペースに独立性を持たせたい場合は、ダイニング(D)とキッチン(K)からリビング(L)を明確に分けるセパレート型のプランも。
食事をする場所とリラックスしたい場所は区別したいと考える人におすすめです。

まとめ

リビング(LDK)の広さの平均は16~20畳。

もし、リビングをどのくらいの広さにしようか迷っている場合はこの平均値を参考にしつつ、家族の人数、家具・家電のサイズ、キッチンの形状、LDKの形状などから適切なリビング(LDK)の広さを割り出してみましょう。

限られたスペースでも間取りのプランやインテリアの工夫によって、開放感のある、気持ちの良い空間にすることが可能です。

今回、ご紹介した4つのポイントを参考に理想のリビング(LDK)をつくってくださいね。

投稿者プロフィール

武田 純吾
武田 純吾経営コンサルティング事業部部長・ブランディングマネージャー
「お前は、建築業には絶対に進むな...」建設業の厳しさを知り尽くした父から贈られた言葉。けれど、苦労している父親の背中や、「きつい・汚い・危険」と言われる過酷な職場環境で歯を食いしばり懸命に働く家族や職人さんたちの姿が忘れられず「この業界を変えたい」と志し、コンサルティング業界の道に進み10年。豊富な実績を誇り全国の地域No.1工務店からの熱狂的なファンが多く、これまで建築業界にはなかった発想や唯一無二のアイデアで差別化を図り「ゼロからイチをつくる」ブランディングのプロ。2030年には新築着工棟数が半減する未来を見据えるなかで、業界全体の活性化のためにブランディングや生産性向上のノウハウを分かち合う「競争ではなく、共創」の考えを創造し、新たな建築業界の世界観をつくる”先駆者”。

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