「築40年の住まいを建て替え新築の注文住宅で地震からも守られる家」松戸市U 様邸
今回の家づくりインタビューのお相手は、4 人家族で築 12 年の注文住宅にお住まいのT 様邸の奥様です。
白を基調にした外観と、緑の屋根にレンガ調の玄関が美しいマイホームについて、家づくりの直後に起こったとある事件のお話とともに、お伺いしました。
目次
―家づくりのきっかけを教えてください。
母が建てた築 40 年の家に住んで長かったので、主人と子どもの 4 人で暮らすのにも広々と新しい家で暮らそうと思い、建て替えを考えました。
が小学校に入学するタイミングになって、部屋がほしいと言い出すことも見計らっていましたし、注文住宅で同じ土地に建てることにしました。
―注文住宅で建て替えを検討する時、ハウスメーカーや工務店などを比較しましたか?
住宅展示場に足を運んで、ハウスメーカーや工務店が建てた家を直接見て比較しました。
私は、大手で知名度のある会社に頼むのがよいと思ったのですが、母の一存でとある 1 社に決めました。
―建築会社や営業のここがよかったというところを、ぜひ教えて下さい。
知らない会社でしたが、おしゃれな入口で柱の太いしっかりした感じのモデルハウスを見つけました。
案内してくれた営業マンの方は、背が高く顔立ちも整っていて風貌もよく、確かに話上手。計画を伝えて、要望や変更もよく聞いてもらいました。
建ててからのある日、その住宅展示場には初めて見る張り紙が貼ってありました。
土地を明け渡すように書かれた裁判所からの勧告で、どうやらそのハウスメーカーは、良質な材料を使いすぎて採算がとれなくなったのか、お金を持ち逃げして会社ごといなくなったらしいのです。
私たちの家は全て仕上がって被害にはあいませんでしたが、大工の方に聞いたところによると、途中で工事をやめてしまった家もあるとか。とても驚きました。
―それは衝撃ですね。ちなみに住宅の予算やローンの金額は、どのように決めていましたか?
予算は2000 万円ほどで建てたいと考えていました。
ローンを組むことができなかったので、回数を分けてほぼキャッシュでの支払いでした。
金額によってどの範囲まで手掛けてくれ るのかを、きちんと確かめておくべきだったと思います。お任せした建築会社では、ポストや駐車場などの外構までは含まれておらず、追加で施工を頼みました。
最終的な費用は2300万ほどかかりましたし、メンテナンスをお願いしていたキッチンのわずかな隙間は直さないまま、いなくなってしまいました。
―キッチンや収納、綺麗な外観やデザイン、風水などのこだわりはありましたか?
キッチンと居間がつながっていて、玄関をとても広くしました。
高齢になる母のことを思い、手すりも付けてもらいました。
手入れの手間を考えて和室はつけませんでしたが、フローリ ングにガスの床暖房をつけてよかったですね。
お風呂もガスで、地震などでもし寸断されて も大丈夫なように、コンロはIH にしてあえてオール電化にはしませんでした。
電気とガス、どちらかが復旧さえすればライフラインも保たれるように、経済性よりも安全を優先させ て決めました。
―新築一戸建ての建て替えを経て、よかった点や後悔している点があれば教えてください。
家の土台になる見えない部分の基礎は、特にしっかりと造ってもらいました。
新築に建て替えてよかったと思えたのは、2011 年の東日本大震災の時です。
近所でも昔の我が家と同じくらいの築年数を超える家は、揺れで屋根が飛ばされていたのを見ました。
「明日は我が身」で、自分たちの家も同じようにご迷惑をかけていた可能性が高いので、胸をなでおろしました。
2 階にもトイレをつけたのはよかったですが、手洗い場がないことに後悔しています。
洋式のトイレは後ろのタンクに水道がついていますが、年齢がいくと手を伸ばしにくくなり、母が困っています。
1 階は洗面所があるからいいですが、小さくてもいいので別に洗い場を付けた方が、先々のことを考えてもいいですね。
玄関は荷物もおけて、座れるくらい広く、日当たりのいい側のはずなのに、日中も暗いのが難点です。
理由は、扉のガラス窓。幅が縦 50 ㎝×横 15 ㎝ほどしかなくて、外の光が周囲の家よりも入ってきにくいデザインです。
営業の方の言いなりで「メーカー品だからお安いですよ」という言葉にのって頼んだ覚えがあります。
その時なら1万円くらいの追加で費用をかければ済んだものが、今になって購入して付け替えようとすると、最低でも 35万くらいします。
最初から慎重に選ぶべきでした。
電気をつけなくても、昼間ならば足元がよく見える強化ガラスのついた立派なもので、明るい方が理想的です。
―間取りや機能の部分は、暮らしてみて「こうしたかった」というところも多いのですね。
家の東側の対面キッチンも、おしゃれなようでいて、機能的には使えていません。
対面式でできたスペースに、日用品をつい重ねては出したままにするので、対面なのに塀がある感じがします(笑)。
テレビや芸能人の家にあるような、料理もできて、食事もできて万能なキッチンとして見渡せるくらい広ければいいのかもしれません。
しかし、使い方や位置によっては不便を感じます。
収納は多い方がいいですし、元をたどれば敷地の坪数が 24.5 坪の狭い中に、 およそ 30 坪の家をきっちりと建てている家なので、スペースの配置自体少し無理があるのかもしれません。
2 階の部屋は、仕切りの引き戸を開けると広い 1 部屋になります。
3 枚の扉を開けると、20 畳近くの広さになるのですが、床のレールが目詰まりしてとても汚れます。
まめに毎日掃除をする家庭でないと、正直大変です。実は建ててから 2 年くらいして、ほかの家が気になって、別な住宅展示場をまた見学にいった時に吊るすタイプの引き戸を見かけました。
値段もそんなに変わらなかったですし、詰まった感じがせず開け閉めが楽でいいなと思いました。
ロフトは高めの天井にあわせて 3mの高さにしましたが、上り下りが大変になることまで予想してはいませんでした。
坪数には入らないギリギリの広さがありますが、今はもう物置状態です。工務店の建てた家をみていて、ロフトが理想のつくりで工夫されているのがいいなと後で思いましたね。
高さは 165 ㎝から 170 ㎝ほどで目が届きやすそうですし、子どもの上り下りも危なくなく、小部屋として使えるスペースになっていて素敵でした。
―家を建てた後のアフターメンテナンスやリフォームで、求めることはありますか?
「今のところ大丈夫」と思っていますが、外壁は気になっています。
例の営業の方から「外壁は 20 年は持つ」なんて言われましたが、叔母は「そんな(大丈夫な)わけがないでしょう」と一言。
確かに同時期に建てた築 13 年の家で、大手のハウスメーカーが手掛けたご近所でも最近工事を始めています。
きっとメンテナンスの期間も切れているとは思いますし、求めようがないですが考えていきたいです。
あとは、キッチンの自動棚の収納が壊れて、途中でとまってしまったので LIXIL に頼んでメンテナンスにも来てもらったくらいですね。
ー今後、理想のマイホームを建てる方に向けてメッセージがあればよろしくお願いします。
「もうこれで理想のマイホームが建てられる」と計画を立てきったとしても、もう一度見直してみた方がいいですね。
信用している建築会社だけでなく、別な住宅展示場へ行ったり、隣のモデルハウスを見てみたり、あとはやはり工務店ですね。
後悔しないように、じっくり見学して、ぜひ建築士の方と計画した方がいいと思います。
投稿者プロフィール
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「お前は、建築業には絶対に進むな...」建設業の厳しさを知り尽くした父から贈られた言葉。けれど、苦労している父親の背中や、「きつい・汚い・危険」と言われる過酷な職場環境で歯を食いしばり懸命に働く家族や職人さんたちの姿が忘れられず「この業界を変えたい」と志し、コンサルティング業界の道に進み10年。豊富な実績を誇り全国の地域No.1工務店からの熱狂的なファンが多く、これまで建築業界にはなかった発想や唯一無二のアイデアで差別化を図り「ゼロからイチをつくる」ブランディングのプロ。2030年には新築着工棟数が半減する未来を見据えるなかで、業界全体の活性化のためにブランディングや生産性向上のノウハウを分かち合う「競争ではなく、共創」の考えを創造し、新たな建築業界の世界観をつくる”先駆者”。
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